紙と鉱質インク

これらのスケッチは明暗さまざまな心象を(そのとおり)写実した言語記録(紙と鉱質インク)です

お散歩

少しずつ元気を取り戻してきたので、何枚か。

毎年、春に体調を崩す私にとってみれば、春はずいぶん暢気な風来坊さんで、いつもそいつに振り回されている。そうやって相手にしているうちに私は生きていることをあらためて実感する。

生きることのうちには、始まりと終わりを絶え間なく繰り返し入れ替える新陳代謝みたいな永続的機構がある。その永続的機構が機能しなくなっていくと無が積み上がっていく。日々の暮らしのうちにいつの間にか積み上げていた無をゆっくり捨てる周期的な期間。それが春なのだと思う。捨てるためにはどうしても無と対面しなきゃいけない。その猶予期間内の症状(あるいは反省)が春うつなのかもしれない。(その猶予は日本社会が要請したものだから皮肉だなあ)

リバーシブルジャケットのように、終わりと始まりが隣接するこの季節に生じた違和。それすらもいつの間にか日常に戻す春に、絶望と感謝をしている。
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