紙と鉱質インク

これらのスケッチは明暗さまざまな心象を(そのとおり)写実した言語記録(紙と鉱質インク)です

【2019年】小島秀夫『デス・ストランディング』の最新トレーラーを考える

公式ツイッター事前に告知されていたとおり、デス・ストランディングのトレーラーが公開されたので、例のごとく考えてみたいと思います。2019年11月8日(金)発売予定。以前、小島さんがオリンピック前にリリースしたいと語っていたので宣言通り。いよいよ、ですね。

『DEATH STRANDING (デス・ストランディング)』発売日告知 2019トレーラー - 4K - YouTube

 

使われた楽曲。

https://twitter.com/Kojima_Hideo/status/1133767252631740416

Apocalyptica - Path - YouTube

 

今回のトレーラーはむしろ謎が深まるばかりだった。ほとんど唯一と言っていい、わずかに判明した重要な情報は赤ん坊に関する事柄、つまり、赤ん坊の名前「Bridge Baby(BB)」と、other side「あの世」の存在と赤ん坊が密接に関係していることだけだ。

今回のトレーラーは、すべてのカットが誰かのまばたきによって場面が切り替わる仕様になっている。この世界を眺める傍観者のような、まるで神のような、視点。おそらく赤ん坊の目を通して見ている。

そして動画の最後で、クリフにわざわざ「月にだって行ける」というセリフを言わせていることからも、この赤ん坊は2001年宇宙の旅の「スターチャイルド」と関連させてみるべきかもしれない。これは(5:39)や(5:32)の精神生命体のような赤ん坊の姿をみても同じことが言えるかもしれない。

 

例のごとく赤ん坊がサムズアップするところからトレーラーは進行する。いままでの動画では、この赤ん坊の正体についてほとんど触れられてこなかった。しかし今回は少し違う。赤ん坊から離れるようにカメラが移動するのではなく、赤ん坊の口へカメラがダイブするのだ!この赤ん坊を理解することは、すなわち、「デス・ストランディング」というゲームを理解することに繋がっている。

「ゲームのメカニズムでもありますし、同時にテーマにもストーリーにも関わっています。赤ちゃんはゲームのメカニズムの要素でもありますし、テーマでも、ストーリーでも重要になります」。IGNのインタビューより

セリフから伺えるのは、どうやら赤ん坊が収納されているポッドにプラグを挿入するとother side(向こう側の世界=あの世)と「繋がる」というのだ。何を言ってるかわからねえと思うga…

つまりこの赤ん坊と「繋がり」をもつ者は、なぜかはわからないが、「この世」と「あの世」の境界を曖昧にすることができる。つまり、「死者」と「生者」の境界が曖昧な存在になれるのかもしれない。これはサムや彼の仲間の肩に付けられた探知機と赤ん坊のポッドを接続することでBTを可視化できるようになることとも関連がある。生者にとって見ればまるでBTという存在は目に見えない幽霊のようであり、逆に死者にとって見ればBTは転生したゾンビだ。この転生というのは、ゲーム的文脈で言えば、一度死んでコンティニューしたキャラクターに相当するだろう。赤ん坊と繋がっている限り、この世とあの世を隔てることは困難であり、日常で使われる不可逆な「生」「死」の概念が適用できなくなる。

では、帰還者と呼ばれていたサムが赤ん坊を持った状態で死ぬとどうなるのか?前回のトレーラーで対消滅の爆発に巻き込まれたあと、サムは精神世界(今回の動画で言う「あの世」)に飛ばされ、元の世界に戻ることができたが口から黒い泥を吐き出していた。つまりサムが帰還するためには、代償として赤ん坊を黒い泥に変えなければならないのではないか。ゲーム的文脈で言えば、マ○オの残機の概念に近いものかもしれない。

では、サムが赤ん坊を持たない状態で「この世」を離れ「あの世」に向かうとどうなるのか。まったくの憶測だが、(6:25)の青白くなったサムと関係があるかもしれない。彼は悲痛な表情でピストルをこめかみに当て、自殺を決行しようとしている。このシーンを、サムが世界を繋ぐことを諦めたシーンとして解釈すれば、いわばゲームオーバーという意味になるのだろう。世界を再び繋ごうというサムの意志が何らかの形で消失したとき、それこそ「デス・ストランディング」の本当のゲームオーバーと言えるからだ。キャラクターの肉体的な死ではなく、精神的な死。そのようなものが考えられるのではないか。

それではプレイヤーが死んでゲームの外に出されるということはないのだろうか? それはない、と小島監督は明言した。

「生と死が一つのテーマになっているので、ゲームで死んだということをちゃんとわかって欲しいと思っています」IGNのインタビューより

では、帰還者ではない人々はどうか。赤ん坊の入ったカプセルを投げ捨てて自死を図ろうとする仲間の姿を思い返せば、BBが自身の生命よりも重要な存在であるためにサムに投げ渡したと考えられるかもしれない。しかしこれは、小島さんが思い描いた「繋がり」の形だとは思えない。

(5:41)の彼岸の右側に防護服を着用した人がいる。おそらくBridge Babyなしで「あの世」に逝った人々のようだ。その情景はまるで彼岸への渡航、煉獄だ。

以前のトレーラーに出てきた触手を生やした怪物のような姿のBTが、日本語吹替版に登場する。攻撃を受けると背負っている箱が赤く発光する。また、怪物にサムが捉えられると、爆発的な光を放った。これは以前登場した、BTによる対消滅だろう。

初期のトレーラーから登場するサムのネックレスには不思議な力があるようだ。数式を調べると(5:34)、量子テレポーテーションシュワルツシルト半径などが検索に引っかかる。SF要素なので割愛。

以前のトレーラーで登場した写真と誰かの年老いた手がおおきく映されている(0:42)。写真には時雨によって劣化して顔が見えない身ごもった女性と若いサム、そして老いたアメリらしき人物合わせて三人写っている。

アメリに似たブリジッドという人物はかつて大統領であったがいまは病床に伏している。どうやらBT?の襲来によって人類は絶滅の危機に瀕しているようだ。前回の動画の「絶滅因子」と関係がありそうだ。

 前々回のトレーラーで登場したバイクのような乗り物などのメカニクスが多数確認できる。これらはブリッジBridgeなどの組織によって、支給されたものであることが今回の動画で強調されている(1:26-1:31)。

初めてUIが確認できた(1:47)。6ヶ所にあらかじめセットすることで、自由に装備選択できるようだ。未装備、ロープ、銃(SCAR?)、はしご、クライミングアンカー、フラッシュバン?などが確認できる。

「はしごは10mの長さまで伸びる携帯式のもので、傾斜を越えたり川を渡るのに使用する。」「傾斜や崖を登り降りできるアンカーポイントを作成するために地面に打ち込まれる杭。アンカーに付けられるロープは最長30m」とある。

エッジ・ノットシティ[Edge Knot City]という反体制派のテロリスト組織の存在が初解禁。都市連合UCAの加盟を拒否し独立自治を要求しているという。黄金仮面の男、ヒッグスは分離過激派の武装集団のリーダー格のひとりのようだ。BTとの関係性が気になる。

「未来を拒絶する者たち[Those who resist the future]」というテロップが表示されたあと、黄色い防護服を着た武装集団「ミュール」にサムは襲われる。サムが襲われる直前に、広範囲に広がるオレンジ色の探知に引っかかってしまったようだ。攻撃を受けるとアイテム(おそらく配達物)を落としてしまい、逆に敵を攻撃すると水しぶきのようなエフェクトが出る(3:18)。撃破するとアイテム(セラミックと書かれた箱)をドロップする。奪った箱で殴ったり、乗り物を奪って逃走することもできるようだ。

改めてBTはこちらを視覚的に捉えているわけではなく、息をひそめずにBTの正面を通過すると発見されるようだ(4:22)。

前回のトレーラーで運んでいた死体を焼却するシーンがある(5:31)。これは前回の記事で考察した「正しい」埋葬仮説をより確からしいものにしている。

驚くことに(5:26)をよく見ると空中に浮かぶBB?とママーとが、へその緒のようなもので繋がっているのが確認できる。彼女はどうやらBBと、母と子のように、インタラクションを図ることができるようだ。おそらく彼女はBBを研究する人物で、BBの生みの親なのかもしれない。あるいは研究のなかでBBに対して母性に似た態度で接するようになりその姿からママーと呼ばれているのかもしれない。

 

マッツさんこと、黒泥まみれのクリフの腹部には黄金に光る十字の傷跡がある(4:59)。これは初期の動画のサムの腹部の十字の傷跡に似ている。

クリフはドックタグを身に着けており(5:00)、直前に戦場のような場所とともに「地獄に繋がれた者たち[Those bound to Hedes]」という文面が表示されることから、クリフは戦死した兵士であることが伺える。また地獄の黙示録のオマージュと思われるシーンがある。

今回の動画の冒頭で、赤ん坊をあやすクリフが「私はいつも繋がっている[I'll always be with you]」という発言とother side(あの世)発言と絡めて考えるなら、クリフが戦死した兵士であると考えるのが妥当だろう。

クリフは髑髏の兵士を繋がりによって使役している。髑髏の兵士は思考することはできない。彼らは「繋がりを絶てないものたち[Those who cannot break the connection]」だ。

「無理やり世界を繋いでもまた綻びは生まれる」とサムは発言することから、クリフが実行している強制的な繋がりは、サムたちが目指す繋がりと対立するだろう。

最後にクリフが持っている本の背表紙におそらく本のタイトルが書いてあるが、読み取るのは困難だ。

ヒッグスが理解した「デス・ストランディング」とは何か。

結局、BTや時雨とは何なのか。

クリフと赤ん坊マネキンの関係は?

アメリはなぜ血のように赤い涙を流すのか。

デッドマンは存在感が薄いと言う意味の「デッド」マンなのか。

 

 

気づいたことがあれば追記したい。

 前回の記事

 

monpanache.hatenablog.com

 

 

monpanache.hatenablog.com

 

2018年に観た新作映画を振り返る

というわけで、去年に引き続き今回で三回目になりますが、映画を振り返る記事を書きました。 今年観てきた24本の映画の中から、印象に残った5つの映画について書きました。その場でメモし後日加筆修正したものになります。【ネタバレあり】7466文字

リズと青い鳥 

『リズと青い鳥』公式サイト

リズと青い鳥』ロングPV

おそらく今後放送されるあらゆる百合アニメ作品に影響を与えることになるであろう、傑作アニメ、それが「リズと青い鳥」です。

吹奏楽部に所属する女子高校生二人の関係をみるストーリーで、水彩画のようなタッチとクオリティの高い音響演出が話題になった、百合アニメオタクの間では大変評価の高い作品です。この作品の魅力のひとつはまさに大きなスクリーンと整った音響設備でないと体験しえないところで、それがゆえに唯一三回見に行った作品です。

注意しなければいけないのが、吹奏楽などの大きな音が流れるから音響が重要であるのでなく(もちろんそれも魅力の一つだと思いますが)、ふたりの女子高生みぞれと希美の掛け合いにある吐息や足音や間が重要であることです。音の高低差が演出にメリハリを与え、ふたりの少女の内面や関係をドラマチックに盛り上げています。映画の鑑賞の仕方には少なくとも二種類あって、ひとつはテレビを大勢で囲って楽しむようなスタイルと、もうひとつは美術館でじっくり絵画と対峙するようなスタイルがあるわけですが、息をするのもノイズになってしまうようなこの映画は後者のスタイルが適しているということです。とある百合オタクが用いた表現を使用するのならば、結論だけ言います。あなたは死にます

これは非常に説明をあたえるのが難しいのですが、私が思いつく言葉はドキュメンタリー映画のような俯瞰視点で見る映画だとか、映像の抒情詩だとかいろいろあるのですが、どれもしっくりこない。というのも、映像がわたしたちに与える印象は名状しがたく、それは言葉で記述できないだろうという心理的抵抗があるからです。ここで「同じように」という言葉を使いたくなる誘惑があって、たとえば、ある一連の詩を何人かで読みあうとして、声や強弱が異なっているにもかかわらず、「私は彼と同じように読む」という意味で「同じように」という言葉を使用したくなるわけですが、そもそもどのようにしてそれを知るのかということとそれはまったく分析になっていないという点で、困惑しているのが現状です。私はいつの日かそれにピッタリする言葉ないし詩句を見つけられるかもしれません。PI254

音響演出が素晴らしいのはもちろん、京都アニメーション描くキャラクターへの人間観察が凄まじい。まつげの震えや瞳の動き、手の動作一つとっても、キャラクターの表情が汲み取って見えることが衝撃でした。なぜこうも人らしく見えるのか。不思議でなりません。

この映画で感動したポイントはたくさんありますが、しいて挙げるなら、今まで揃わなかった2つの足音がひとつになる瞬間ではなく、また2つの足音に別れていくところでしょう。物語的帰結を性急にしない作品構造をしていて、それがあのラストの下校シーンをより情緒的に仕立てています。そこに二人の消えゆく青春の残り香を感じ取ることができるわけです。はたして二人は無事に添い遂げることができるのしょうか。筆者は願って止みません。

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アフィリエイトブログに写真を無断転載された話

自分のブログの写真がアフィリエイトブログに無断転載されていることに偶然気付いたのは今から二日前の深夜。

なんとなく、フレグランスメーカー「モダンノーツ」の新作についての感想を漁っていた時の話。

私のブログに掲載した写真によく似た画像を使うブログに偶然とんだ。

はじめは、何かの見間違いだと思い自分のブログ記事を確認し比較すると、どうやら間違いない。無断転載というやつだ。

無断転載された写真は2016/08/23 21:11に私の所有するカメラα6000で私自身が自室で撮影したもので、最近のデジタルカメラの記録媒体には、詳細な記録情報がある。

元画像はむちゃくちゃに圧縮されて、さも記事を書いたブロガーが使用していると捉えられる文面ともに掲載されていた。その記事は私の記事と同じく、男性向けにフレグランスを使う際の使用感や注意事項などが記載されており、画像は自分の使用感を表明するために利用されていた。その画像が無断転載となれば、記事の信ぴょう性が著しく低いことは明白だった。

一般的に、写真は創作された時点で自動的に著作権が発生する。他人に著作権を譲渡しない限りは、撮影者に著作権があるのが原則だ。

www.jps.gr.jp

ウィキによれば故意に著作権侵害をした者に対しては刑事罰が課されることもあるようだ。

著作権を故意に侵害した者は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に処せられる(懲役と罰金が併科されることもある)(119条)

今回問題となるのは、

  • 私が撮影した写真についての出典を明記していないこと。
  • 写真が転載されていることを私は事前に知らされておらず、写真の著作権を譲渡していないにもかかわらず無断で利用されていること。
  • その私の写真を無断で利用した記事はアフィリエイトによって収益化されていることなどが挙げられる。

また事前に、私のブログには無断転載を遠慮いただきたい旨も記載していた。

monpanache.hatenablog.com

以上のことから、写真の著作権が侵害されていることは明白だった。

はじめに相手側のブログのコメント欄に私の写真であることの報告と写真の無断転載に伴う記事の信ぴょう性の乏しさを批判、そして写真を取り下げることを要求する書き込みをした。ブログのコメントが確認されないことも考えてツイッタ―をやっていたので、そちらにも書き込みをしたことを報告するリプライを送った。が、あえなく無視される。

なので今朝、グーグルに権利侵害申請をした。即日で要請が通った。

一応、2日も返事を待ったのだから、これぐらいのリスクはあって当然だ。容赦している場合ではない。

ネット上の多くの無断転載された前例から助言を借りて、Whoisを使って相手のドメイン管理会社も判明した。ドメイン取得日は 2017年08月12日であることも分かった。

そのドメイン管理会社には「不法行為・迷惑行為の報告」の窓口がある。ここに提供された情報を元に、対象ユーザへの事実確認などの調査が行なわれる。ので「著作権の侵害に該当するコンテンツ」として報告しようと思ったが、本名があちら側に開示されるという。

多くのネット上の前例をみるに、最終的には警察や弁護士に相談するのが正当な方法であるようだ。そこまでするほど暇ではない。次やってきたら速攻で倒しにいくだろう。

無断転載されたのは正直腹が立つわけだが、私のブログにも改善の余地があるので、右クリック・範囲選択禁止などのスクリプトを使用してみた。ちゃんと機能しているだろうか。

この対応は時間稼ぎでありその場しのぎではあるが、現状、無断転載を完全に未然に防ぐことも敵わないのは、いろんなサイトを回るにつけ致しかたないのかもしれない。

なにか、ほかにいい方法あれば実行したいけれど。それだけはくやしい。

無断転載に関してはこちらから全力で叩きのめすことが最善手になってきているので、一昔前のような泣き寝入りもなくなってきているのは、多くの前例が教えてくれ勇気づけてくれた。

やろうと思えばやれるのだから、知らないフリや無視をし続ければどうにかなると思ったら大間違いだ。今回の件は、再度返事の催促をしたところ連絡がついさきほど届いた。記事の写真も撤回されていることも確認。無事落着し、一安心だ。

今回の件を教訓としてみれば、広い意味での暴力に言論は萎縮してはいけないということだ。今後も写真は残していきたいし、私の良心におとなしく従って、好きなことを好きなだけ書いていきたい。

【2018年E3】小島秀夫『デス・ストランディング』の最新トレーラーを考える

 【2019年】の記事はこちら↓

monpanache.hatenablog.com

 

というわけで、前回に引き続き公開されたトレーラーに沿って考えていきたいと思う。

DEATH STRANDING - Teaser Trailer – E3 2018 - 4K - YouTube

お馴染みの赤ん坊が親指を立てるところからはじまる。

黒タイツの謎の女性が初登場。彼女は敵対者を直接見ることができる一方、サムはできないが(カイラルアレルギー反応によって)感知することができるという。後ろのアームは赤ん坊のカプセルと連動して作動する探知機であることが前回の動画で判明したが、今回はこれを強調している。赤ん坊が入ったカプセルとつながるプラグの形に着目する(6:03)と、前々回のトレーラーのデルトロが用いたプラグの形をしておらず、左腹部あたり?に差し込んでいる。

女性の服飾にはFRAGILE EXPRESS HANDLED WITH LOVEと書かれている(4:59)。配達を担う組織の名前か?どうやら彼女はサムと同業者らしい。

謎の女性はサムを引き抜こうとするが、配送業に勤しむサムであった。前回のトレーラーではサムは敵の死体を運んでいたが(今回のプレイアブルでは担いでいる)、運べるものなら特に限りはないようだ。

今回の動画で、追尾してくれるポットのようなものや、クレータ―に落ちていく二輪車のようなものが確認できる。こうしたメカニクスは自作なのか、あるいは前回の動画に登場したBRIDGESという組織から支給されたものなのか。おそらく後者と思われる。

サムが持ち歩く荷物は膨大で、これらは配達物であるようだ。今回の動画はサムの散歩あるいは配達に勤しむ姿が長回しで映されている。機械だけでなく、人間が運ぶことは敵対者に襲撃されるリスクがある仕事だが、前回の動画の横転した車両を見るに、おそらく地形変化などに機械がうまく対応できないのかもしれない。あるいはGPSが作動しないとか?

動画では今まで登場した灰色の防護服を着たサムと、新しく青色の防護服を着たサムが登場する。青色の防護服を着たサムはその容姿からして老けて見え、彼がいる世界の地表の様子は、緑に覆われ、ある程度大きな川も流れていて、鳥のような生き物も確認できるくらいには平穏に見える。

また青色の防護服を着たサムの左足についている輪状の形の手綱のようなものがある。謎の女性の太ももの付け根にも似たものがついていることが確認できるが、引きちぎられたような跡がある(5:13)。また青色の防護服を着たサムはマッツさんと同じようなボシェットを着用しており、赤ん坊のカプセルをもっている(3:03)が、灰色の防護服を着たサムはもっていない。

小島秀夫さんは以前のIGNインタビューで雨が時間を進めてしまうもの(timefall=時雨)であると語っており、ノーマンの皮膚に落ちた水滴の部分だけ老化していく描写や雨が降ると植物が急成長しやがて枯れてしまう描写など、今回の動画はこれを強調している。

「違う世界の雨なので、この世界の人間にあたると、(当たった)瞬間だけ時間が進むんです。一回当たって地面に流れると普通の水になります。空中にある別の世界の雨が、この世界の物に当たった瞬間だけ時間が進みます」

この雨が別の世界から持ち込まれたものであり、現実世界と向こうの世界が作用し合っている。普通とは違う形のマルチプレイ要素?がここにあるように思える。

敵対者の接近によって、サムは鳥肌が経ち(よく見ると腕毛が逆立っている)アレルギー反応がおこり赤い発疹が右半身にでる(これもカイラルアレルギーの症状か?)。髪には霜がつき吐く息も白くなるほど、急激に周囲の気温が低下していることが分かる。また、敵対者の接近によってChiralium density(カイラル濃度)という濃度も増加するらしい。ウィキによれば、

キラリティー (chirality) は、3次元の図形や物体や現象が、その鏡像と重ね合わすことができない性質。掌性。

キラリティがあることをキラル (chiral) という。英語風の発音でカイラリティ、カイラルともいう。これらの語はギリシャ語で「手」を意味するχειρ (cheir) が語源である。

ということだが、詳細は不明。

サム自身と妻と娘と思わしき写真(0:50)について、サム以外の他の二人はどうしたのか。サムの過去が気になる。

最後に登場する写真の人物によく似た若い女性は、なぜかサムを一方的に知っているがそれはなぜか。サムは死に戻りを繰り返すうちに記憶を失っているのかもしれない。あるいは、この女性はタイムフォール等の影響でサムたちとは違い、若返ってしまうのかもしれない。小島秀夫さんは「時間が進みます」とだけ言っているし、必ずしも老化することだけを指すとは限らない。いずれにしろ、この世界の仕組みが二人の関係を引き裂いているようだ。

Cryptobiosis(クリプトビオシス。クマムシなどの一部の生物がある環境下で、活動を停止して無代謝状態になること)がタイムフォールに有効であることをサムに教える女性。直後にドヤ顔であの気持ち悪い昆虫のようなものを食べる。このCryptobiosisという無代謝状態は、一種の仮死状態であり外部からの影響(高温、高圧、低温、放射能汚染など)を受けにくくなるらしい。昆虫を食べることでサムはタイムフォールに対抗できる何らかの能力を得ているのかもしれない。ゲーム的文脈で言えばこれはバフや回復アイテムの一種といえそうだ。

会話の中で疑問点がいくつかある

So you have DOOMS like me.
What's your levels?

  • 謎の女性とサムはDOOMSという特殊な能力?を持っており、何らかのレベルがあるようだ。これは二人が共通して涙を流していることと関係があるのかもしれない(カイラルアレルギー)。涙を流しているのは今のところこの二人だけで、必ず片方の目から涙を流す。(非対称性)(追記)前回のトレーラーを確認すると仲間を救出しようとしたおっさんも敵対者の接近時に両目から交互に涙を流していた。

Sam;I've got the extinction factor,but I think you got me beat.

  • サムはextinction factor(絶滅因子)を持っているが、女性には及ばないという。extinction factorとは具体的に何を指すのか?

Sam, if one of those things eats you,it will trigger a voidout.
You'll come back, sure,but surrounding area will still be a crater.

  • 敵対者(BT)に捕食されるとvoidout(対消滅つまり前回の動画でいう爆発)が引き起こされ、なんとこの世界に帰ってこれるが周囲はクレーターになっていると言うのだ(プレイヤーは死ぬ直前ではなく、自分が死んだ直後の世界に戻る)。これは前回の動画の爆発的な光を放って敵対者に仲間が取り込まれることの説明と言えそうだ。ただし、前回の動画では仲間は死に怯え自殺を図ろうとしていた。これを見るに、死んだ世界に戻ってこれる能力はサムだけであるといえよう。(日本語版のトレーラーではサムは帰還者と呼ばれている)前回の動画に関するインタビューでも小島秀夫さんはこう語っていた。

「(ティザートレーラーでは)爆発の後、クレーターがあいてましたけど、(復活した後も)あれはあいたままです。普通のゲームはクレーターが出来る前に戻ります。ですので、プレイヤーによっては爆発しまくると、穴だらけになり、地形も大きく変わってしまいます」

インタビューで語っていた「生と死が一つのテーマになっているので、ゲームで死んだということをちゃんとわかって欲しいと思っています」ということの再確認ともいうべきセリフだ。

(追記)

  • (4:39)女性がサムと手をつなぐと、サムにも敵対者が見えるようになる?
  • 日本語版のトレーラーが公開されたので、翻訳をトレーラーに合わせた。
  • カニ成分が足りない。愛しのカニ
  • インタビュー動画で小島秀夫さんはこのゲームについて「戦って、敵を倒すことが目的ではない。世界を繋いでいくことが目的。とはいえ、シューティングが好きな人もいると思うので、そういうこともできるが、オススメできないしそういうゲームではないというのがプレイをしているとわかってくる仕組み」と語っている。

 

気づいたことがあれば追記したい。前回の記事↓ 

monpanache.hatenablog.com