紙と鉱質インク

これらのスケッチは明暗さまざまな心象を(そのとおり)写実した言語記録(紙と鉱質インク)です

『紙と鉱質インク』について

更新情報

2016/07/17  投稿 
2016/08/29  更新(『賢治と桜』を追記。他、加筆修正)
2016/09/01  更新(PCで本記事を開くとBGMが流れるように変更、序文にルビを付与。他、加筆修正)
2016/09/18  更新(『はじめに』序文を追記。他、加筆修正)
2016/11/17  更新(表示順の関係により日付を変更。他、加筆修正)
2017/02/02  小節『紙と鉱質インク』部分がなぜか消えていることを確認。もう一度書き下ろすことはできないため、宮沢賢治春と修羅』序文で語りえたものとしたい。

 

はじめに

皆様はじめまして。このたびは当ブログ「紙と鉱質インク」にご訪問いただきありがとうございます。このブログの管理をしているホワイトと申します。

このブログはリンクフリーです。事前・事後の連絡は必要ありません。リンクサイトを掲載する予定ですので、このブログに載せても大丈夫な方は下のコメント欄やTwitter等でお気軽にお申し付けください。

当ブログでは一部に18禁ゲーム情報を掲載しています。18歳未満の方は当サイトのページを参照されないようお願いいたします。またサイト上にあるデータに関しては無断転載を禁止しています。この場合の転載とは文章、ソース、デザイン自体を丸ごと複写することであって、引用に関しては問題ありません(その場合は出典を明記してください)。ただしサイト上の掲載内容について管理者は100%保証できるものではなくまた一切の責任を持たないことをご了承ください。当ブログの方針は下記の本文に掲載しています。

ブログデザインについてはこちら↓

monpanache.hatenablog.com

ブログについて

このブログは、個人で好きなことを好きな時に好きなだけ綴る、いわば日記のようなものです。

特にアフィリエイトで稼ごうと思ってやってるわけでもなく、個人で運営するものですから、制約や決まりも設けておりません。ただ一つ決めてるのは、その時々の心象をできるだけ誠実にスケッチすること。ブログの名に恥じぬものを書こうという意識でやっています。

なので、書くものがなくなれば、必然このブログはネットの海に沈みますし、あるいは、湧き出てくるものを必死になってスケッチする日々もあるかもしれません。ですので、まずは徒然なるままに、筆をとってみようと思います。

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アフィリエイトブログに写真を無断転載された話

自分のブログの写真がアフィリエイトブログに無断転載されていることに偶然気付いたのは今から二日前の深夜。

なんとなく、フレグランスメーカー「モダンノーツ」の新作についての感想を漁っていた時の話。

私のブログに掲載した写真によく似た画像を使うブログに偶然とんだ。

はじめは、何かの見間違いだと思い自分のブログ記事を確認し比較すると、どうやら間違いない。無断転載というやつだ。

無断転載された写真は2016/08/23 21:11に私の所有するカメラα6000で私自身が自室で撮影したもので、最近のデジタルカメラの記録媒体には、詳細な記録情報がある。

元画像はむちゃくちゃに圧縮されて、さも記事を書いたブロガーが使用していると捉えられる文面ともに掲載されていた。その記事は私の記事と同じく、男性向けにフレグランスを使う際の使用感や注意事項などが記載されており、画像は自分の使用感を表明するために利用されていた。その画像が無断転載となれば、記事の信ぴょう性が著しく低いことは明白だった。

一般的に、写真は創作された時点で自動的に著作権が発生する。他人に著作権を譲渡しない限りは、撮影者に著作権があるのが原則だ。

www.jps.gr.jp

ウィキによれば故意に著作権侵害をした者に対しては刑事罰が課されることもあるようだ。

著作権を故意に侵害した者は、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に処せられる(懲役と罰金が併科されることもある)(119条)

今回問題となるのは、

  • 私が撮影した写真についての出典を明記していないこと。
  • 写真が転載されていることを私は事前に知らされておらず、写真の著作権を譲渡していないにもかかわらず無断で利用されていること。
  • その私の写真を無断で利用した記事はアフィリエイトによって収益化されていることなどが挙げられる。

また事前に、私のブログには無断転載を遠慮いただきたい旨も記載していた。

monpanache.hatenablog.com

以上のことから、写真の著作権が侵害されていることは明白だった。

はじめに相手側のブログのコメント欄に私の写真であることの報告と写真の無断転載に伴う記事の信ぴょう性の乏しさを批判、そして写真を取り下げることを要求する書き込みをした。ブログのコメントが確認されないことも考えてツイッタ―をやっていたので、そちらにも書き込みをしたことを報告するリプライを送った。が、あえなく無視される。

なので今朝、グーグルに権利侵害申請をした。即日で要請が通った。

一応、2日も返事を待ったのだから、これぐらいのリスクはあって当然だ。容赦している場合ではない。

ネット上の多くの無断転載された前例から助言を借りて、Whoisを使って相手のドメイン管理会社も判明した。ドメイン取得日は 2017年08月12日であることも分かった。

そのドメイン管理会社には「不法行為・迷惑行為の報告」の窓口がある。ここに提供された情報を元に、対象ユーザへの事実確認などの調査が行なわれる。ので「著作権の侵害に該当するコンテンツ」として報告しようと思ったが、本名があちら側に開示されるという。

多くのネット上の前例をみるに、最終的には警察や弁護士に相談するのが正当な方法であるようだ。そこまでするほど暇ではない。次やってきたら速攻で倒しにいくだろう。

無断転載されたのは正直腹が立つわけだが、私のブログにも改善の余地があるので、右クリック・範囲選択禁止などのスクリプトを使用してみた。ちゃんと機能しているだろうか。

この対応は時間稼ぎでありその場しのぎではあるが、現状、無断転載を完全に未然に防ぐことも敵わないのは、いろんなサイトを回るにつけ致しかたないのかもしれない。

なにか、ほかにいい方法あれば実行したいけれど。それだけはくやしい。

無断転載に関してはこちらから全力で叩きのめすことが最善手になってきているので、一昔前のような泣き寝入りもなくなってきているのは、多くの前例が教えてくれ勇気づけてくれた。

やろうと思えばやれるのだから、知らないフリや無視をし続ければどうにかなると思ったら大間違いだ。今回の件は、再度返事の催促をしたところ連絡がついさきほど届いた。記事の写真も撤回されていることも確認。無事落着し、一安心だ。

今回の件を教訓としてみれば、広い意味での暴力に言論は萎縮してはいけないということだ。今後も写真は残していきたいし、好きなことを好きなだけ書いていきたい。

【2018年E3】小島秀夫『デス・ストランディング』の最新トレーラーを考える

というわけで、前回に引き続き公開されたトレーラーに沿って考えていきたいと思う。

DEATH STRANDING - Teaser Trailer – E3 2018 - 4K - YouTube

お馴染みの赤ん坊が親指を立てるところからはじまる。

黒タイツの謎の女性が初登場。彼女は敵対者を直接見ることができる一方、サムはできないが(後ろのアームを作動させることによって)感知することができるという。後ろのアームは赤ん坊のカプセルと連動して作動する探知機であることが前回の動画で判明したが、今回はこれを強調している。赤ん坊が入ったカプセルとつながるプラグの形に着目する(6:03)と、前々回のトレーラーのデルトロが用いたプラグの形をしておらず、左腹部あたり?に差し込んでいる。

女性の服飾にはFRAGILE EXPRESS HANDLED WITH LOVEと書かれている(4:59)。配達を担う組織の名前か?どうやら彼女はサムと同業者らしい。

謎の女性はサムを引き抜こうとするが、配送業に勤しむサムであった。前回のトレーラーではサムは敵の死体を運んでいたが(今回のプレイアブルでは担いでいる)、運べるものなら特に限りはないようだ。

今回の動画で、追尾してくれるポットのようなものや、クレータ―に落ちていく二輪車のようなものが確認できる。こうしたメカニクスは自作なのか、あるいは前回の動画に登場したBRIDGESという組織から支給されたものなのか。おそらく後者と思われる。

サムが持ち歩く荷物は膨大で、これらは配達物であるようだ。今回の動画はサムの散歩あるいは配達に勤しむ姿が長回しで映されている。機械だけでなく、人間が運ぶことは敵対者に襲撃されるリスクがある仕事だが、前回の動画の横転した車両を見るに、おそらく地形変化などに機械がうまく対応できないのかもしれない。あるいはGPSが作動しないとか?

動画では今まで登場した灰色の防護服を着たサムと、新しく青色の防護服を着たサムが登場する。青色の防護服を着たサムはその容姿からして老けて見え、彼がいる世界の地表の様子は、緑に覆われ、ある程度大きな川も流れていて、鳥のような生き物も確認できるくらいには平穏に見える。

また青色の防護服を着たサムの左足についている輪状の形の手綱のようなものがある。謎の女性の太ももの付け根にも似たものがついていることが確認できるが、引きちぎられたような跡がある(5:13)。また青色の防護服を着たサムはマッツさんと同じようなボシェットを着用しており、赤ん坊のカプセルをもっている(3:03)が、灰色の防護服を着たサムはもっていない。

小島秀夫さんは以前のIGNインタビューで雨が時間を進めてしまうもの(timefall=時雨)であると語っており、ノーマンの皮膚に落ちた水滴の部分だけ老化していく描写や雨が降ると植物が急成長しやがて枯れてしまう描写など、今回の動画はこれを強調している。

「違う世界の雨なので、この世界の人間にあたると、(当たった)瞬間だけ時間が進むんです。一回当たって地面に流れると普通の水になります。空中にある別の世界の雨が、この世界の物に当たった瞬間だけ時間が進みます」

この雨が別の世界から持ち込まれたものであり、現実世界と向こうの世界が作用し合っている。普通とは違う形のマルチプレイ要素?がここにあるように思える。

敵対者の接近によって、サムは鳥肌が経ち(よく見ると腕毛が逆立っている)アレルギー反応がおこり赤い発疹が右半身にでる(これもカイラルアレルギーの症状か?)。髪には霜がつき吐く息も白くなるほど、急激に周囲の気温が低下していることが分かる。また、敵対者の接近によってChiralium density(カイラル濃度)という濃度も増加するらしい。ウィキによれば、

キラリティー (chirality) は、3次元の図形や物体や現象が、その鏡像と重ね合わすことができない性質。掌性。

キラリティがあることをキラル (chiral) という。英語風の発音でカイラリティ、カイラルともいう。これらの語はギリシャ語で「手」を意味するχειρ (cheir) が語源である。

ということだが、詳細は不明。

サム自身と妻と娘と思わしき写真(0:50)について、サム以外の他の二人はどうしたのか。サムの過去が気になる。

最後に登場する写真の人物によく似た若い女性は、なぜかサムを一方的に知っているがそれはなぜか。サムは死に戻りを繰り返すうちに記憶を失っているのかもしれない。あるいは、この女性はタイムフォール等の影響でサムたちとは違い、若返ってしまうのかもしれない。小島秀夫さんは「時間が進みます」とだけ言っているし、必ずしも老化することだけを指すとは限らない。いずれにしろ、この世界の仕組みが二人の関係を引き裂いているようだ。

Cryptobiosis(クリプトビオシス。クマムシなどの一部の生物がある環境下で、活動を停止して無代謝状態になること)がタイムフォールに有効であることをサムに教える女性。直後にドヤ顔であの気持ち悪い昆虫のようなものを食べる。このCryptobiosisという無代謝状態は、一種の仮死状態であり外部からの影響(高温、高圧、低温、放射能汚染など)を受けにくくなるらしい。昆虫を食べることでサムはタイムフォールに対抗できる何らかの能力を得ているのかもしれない。ゲーム的文脈で言えばこれはバフや回復アイテムの一種といえそうだ。

会話の中で疑問点がいくつかある

So you have DOOMS like me.
What's your levels?

  • 謎の女性とサムはDOOMSという特殊な能力?を持っており、何らかのレベルがあるようだ。これは二人が共通して涙を流していることと関係があるのかもしれない(カイラルアレルギー)。涙を流しているのは今のところこの二人だけで、必ず片方の目から涙を流す。(非対称性)(追記)前回のトレーラーを確認すると仲間を救出しようとしたおっさんも敵対者の接近時に両目から交互に涙を流していた。

Sam;I've got the extinction factor,but I think you got me beat.

  • サムはextinction factor(絶滅因子)を持っているが、女性には及ばないという。extinction factorとは具体的に何を指すのか?

Sam, if one of those things eats you,it will trigger a voidout.
You'll come back, sure,but surrounding area will still be a crater.

  • 敵対者(BT)に捕食されるとvoidout(対消滅つまり前回の動画でいう爆発)が引き起こされ、なんとこの世界に帰ってこれるが周囲はクレーターになっていると言うのだ(プレイヤーは死ぬ直前ではなく、自分が死んだ直後の世界に戻る)。これは前回の動画の爆発的な光を放って敵対者に仲間が取り込まれることの説明と言えそうだ。ただし、前回の動画では仲間は死に怯え自殺を図ろうとしていた。これを見るに、死んだ世界に戻ってこれる能力はサムだけであるといえよう。(日本語版のトレーラーではサムは帰還者と呼ばれている)前回の動画に関するインタビューでも小島秀夫さんはこう語っていた。

「(ティザートレーラーでは)爆発の後、クレーターがあいてましたけど、(復活した後も)あれはあいたままです。普通のゲームはクレーターが出来る前に戻ります。ですので、プレイヤーによっては爆発しまくると、穴だらけになり、地形も大きく変わってしまいます」

インタビューで語っていた「生と死が一つのテーマになっているので、ゲームで死んだということをちゃんとわかって欲しいと思っています」ということの再確認ともいうべきセリフだ。

(追記)

  • (4:39)女性がサムと手をつなぐと、サムにも敵対者が見えるようになる?
  • 日本語版のトレーラーが公開されたので、翻訳をトレーラーに合わせた。
  • カニ成分が足りない。愛しのカニ
  • インタビュー動画で小島秀夫さんはこのゲームについて「戦って、敵を倒すことが目的ではない。世界を繋いでいくことが目的。とはいえ、シューティングが好きな人もいると思うので、そういうこともできるが、オススメできないしそういうゲームではないというのがプレイをしているとわかってくる仕組み」と語っている。

 

気づいたことがあれば追記したい。前回の記事↓ 

monpanache.hatenablog.com

声の人間性は一人歩きしがち

人間の肉体からVTuberの声が聞こえるというのは、何かバグってる感じがする。それはちょうど、VTuberの肉体から人間の声が聞こえるのと正反対の位置にあるように思うかもしれない。しかし、現実には正反対ではない。「VTuberの声」は厳密には「人間の声」だけでなく「ソフトを用いた電子音」も含まれるからだ。つまり、VTuberの肉体から聞こえるのは人間の声だけに限らない。

  • VTuberの肉体→人間の声 or ソフトを用いた電子音

一方で、通常人間の肉体からは特例(物理学者ホーキングなど)を除いて人間の声しか聞こえない。

  • 人間の肉体→人間の声 (or ソフトを用いた電子音)

ここに非対称性がありバグの発生源があるように思える。

つまり、人間の肉体からVTuberの声が聞こえるという現象について、「VTuberの声」が聞こえることを「VTuberの肉体から聞こえる声」で話されると考えるなら、

  • VTuberの肉体→VTuberの声=人間の声 or ソフトを用いた電子音

このVTuberの肉体から聞こえる声のうち、

①電子音であれば、それは先述の特例となり(つまり人間の肉体からノラキャットの声が聞こえるような事例。面白そうなので一考してもよさそうだが、これは脱線なので略)

②人間の声であれば、ある別の人間Aの肉体から、よく知った人間Bの声が聞こえる感じを与える。

この「ある別の人間Aの肉体からよく知った人間Bの声が聞こえる感じ」こそA=B等式が自然に連動せず、肉体と声の紐づけが上手くいかないことからくるバグの根本だといえそうだ。

私を含めたオタクは人間Bをよく知っており、人間Aを知らないような印象をもってしまう。しかしオタクは人間Bそのひとをまるで知らない*1ばかりか、ただ人間Bの声しか知りえないという当たり前の事実が再確認されるのだ。*2

となると、たとえ会ったことがなくとも、よく知った声を聞くと、なぜ人間Bを仮想的に置いて人間Bの声として考えるのだろうか。電車内のアナウンスを聞いて人間Bの声だと判断するのはなぜか。

また、ソフトを用いて出力された電子音を前提としたが、人間の声をソフトに入力して出力された電子音は、厳密に電子音なのか人間の声なのかという問題もある(ボイスチェンジャー)

もう少し考えてみたい。

*1:人間Bそのひとを仮想されたVTuberそのものに同一化させていることが挙げられよう

*2:「よく知った人間Bの声」という文について、「よく知った」→「人間B」ではなく「よく知った」→「声」と修飾されるべき

お散歩

少しずつ元気を取り戻してきたので、何枚か。

毎年、春に体調を崩す私にとってみれば、春はずいぶん暢気な風来坊さんで、いつもそいつに振り回されている。そうやって相手にしているうちに私は生きていることをあらためて実感する。

生きることのうちには、始まりと終わりを絶え間なく繰り返し入れ替える新陳代謝みたいな永続的機構がある。その永続的機構が機能しなくなっていくと無が積み上がっていく。日々の暮らしのうちにいつの間にか積み上げていた無をゆっくり捨てる周期的な期間。それが春なのだと思う。捨てるためにはどうしても無と対面しなきゃいけない。その猶予期間内の症状(あるいは反省)が春うつなのかもしれない。(その猶予は日本社会が要請したものだから皮肉だなあ)

リバーシブルジャケットのように、終わりと始まりが隣接するこの季節に生じた違和。それすらもいつの間にか日常に戻す春に、絶望と感謝をしている。

【プレイ雑記】英語版すばひび

先日、英語版すばひび(Wonderful Everyday)を全編クリアしたのでおおよその感想を綴る。また英語版すばひびに関する日本語で読めるテキストの少なさを鑑みて、もともとの成立過程と今後の展望を記す。【ネタバレなし】

ここで「おおよその感想」と筆者が呼ぶものは批評を加えていない、一般的に雑記に近いものだと解釈していただいて構わない。むしろ日本語読者にとって、ここで何らかの批評を記すこと自体はすでにほとんど要求されていないだろう。日本語版「素晴らしき日々~不連続存在~」(以下オリジナルと呼ぶことにする)が発売されてすでに8年近くが経過している2018年2月現在、このゲームに関する言及や批評は幸いにも数多ある。批評を求める読者は、ぜひお好きな言説を探す旅に出られるのがよろしいと思う。

さて前書きはこの辺にして、そもそも「英語版すばひび」とは何かというところから記そう。

Wonderful Everyday Opening Movie

プレイ時間:58h

攻略順:こちら

発売日:8月31日

パッチ:あり

英語版すばひびとは

題名"Wonderful Everyday ~Diskontinuierliches Dasein~"

元のアスペクト比4:3維持で高解像度(1280×980)にアップグレード。

インターフェイスと字幕は英語のみで日本語吹き替えのみ。

18禁+パッチを当てると無修正でプレイできシナリオロックも解除される。

( パッチを当てないと序章(Down the Rabbit-Hole I)までしか遊べない)

 獣姦シーンのCGは大人の事情で削除されたが、それ以外の内容の変更はない。(シーン自体はあるが暗転している)

steamspyを見るに、あまり売れていない。

HISTORY

2017年2月19日

フロントウィングがすばひびのライセンスを取得していると発表

4月27日

フロントウィング代表山川竜一郎氏へのインタビューで成人向けゲームに取り組んでいると言及。

7月3日

「Anime Expo 2017」にてFrontwingがすばひびのローカライズを発表

パネルディスカッションの模様

8月3日 - 8月28日 

キックスターターで支援を募る。1,260 人の支援者から$105,928集まる。日本からの支援者は8人いる。

8月29日 - 10月1日 

BackerKitで予約注文を開始。1,281 人の支援者から$35,594集まる。

アートブックやOST、タンブラー、キャンバスアート、さらにはウサギのぬいぐるみ、複製サイン色紙などがリワードだった。

8月31日

Steamにて発売される。価格$29.99、¥2980。

感想

見た目;

キレイになっている。

画面が大きくなり解像度も上がっていることがわかる。今回一番うれしい変化のひとつがこれだった。HD化された英語版は現代のエロゲ水準に引き上げられている。

システム面;

インターフェイスが英語になっていること以外は特に変化なし。

サウンドの英題はこちら。

音声面;

一部音声がおかしい部分があった。これについては考えられる原因がある。オリジナルではひとまとまりで表示されたテキストが、英語版でいくつかの文章に分割されて表記されているケースがあった。それに伴って、もともとの音声が分割されて、切れ目の度合いによっておかしな音声に聞こえたのではないだろうか。これは実際に該当箇所を比較したわけではないのであくまで推測の域にある。

テキスト面;

字幕は見やすいが、哲学が始まると本腰を入れて臨まなければいけない。台詞が日本語であるため英文テキスト単体より幾分理解がスムースになる。その分、表記されたテキストとの内容上の乖離、違和感に気付きやすかった。

翻訳について

英語版は主語と述語がしっかり明記されていることが多いためにオリジナルより文法上のわかりやすさがある。そのおかげか、オリジナルのわかりづらかった(あるいは勿体ぶった)文章が整然としたものとなり理解が深められた。

日本語では主語の省略が多く、特に人称代名詞「私」「あなた」「彼」のような語は本来ほとんど使われない。これは文法というより語用の問題だが、人称代名詞を語らずに属性や関係のみを指示する日本語は英語にはない論理性をもっているともいえる。(「きみ」「あなた」「あんた」、隠蔽された主語もyouと訳される恩恵と問題がある。)

一方で、翻訳でかえってわかりにくくなっているテキストがあったり、日本語の微妙な意味合いが失われているケースもあった。

たとえば英語では、「この犬は吠える(犬が吠える)」はThis dog barks.、「犬は吠える」はDogs bark.という具合に、ともにまったく同じ主語述語構造で言い表される(ちなみに、主語が複数形か単数形かは区別の要因にならない)。助詞を持つ日本語は、英語と違って、「この犬は吠える(犬が吠える)」と「犬は吠える」の論理的相違を文法に反映させることができるが、英語にはそれがない。

しかし他にも、対象が目前にない場合に一意指示する表現は、英語ではtheを用いればよいところ、日本語にはその種の便利な装置がほとんどない。(かろうじて「あの」「その」という連体詞があるが、定冠詞に比べて用法が定式化しておらず、たいてい、修飾部と名詞を分断してしまう)

むろん、日本語と英語のどちらがより論理的あるいは優勢だということではない。ある特定の自然言語によって運用されている言説が、その言語習慣によってバイアスを被っていることはいうまでもない。その枠組みの中でたえず変化する日常言語に我々が浸りきっていることに、十分自覚的でなければいけないということである。

…話が逸れてしまった。お勉強はここまでにして感想に戻ろう。

前述のとおり、英語版はオリジナルの原文をすべてそのまま訳しているわけではない。日本語特有の慣用句やギャグは特に訳されず、代わりに英文に特有のギャグが挿入されるケースもあった。(ここでいちいち列挙しない。筆者の過去の画像付きツイート等をご参照いただければと思う)

英語版はオリジナルとは同じようで異なる、新しいバージョンのすばひびと言えるかもしれない。

参照されるテキストの翻訳について

もともと西洋文学・哲学からの引用が多い「素晴らしき日々」。それらの日本語翻訳の出来ばえを、一部の海外ファンは嘆いていた。「元のテキストのニュアンスを正しくとらえているとは思えない」という声も聞かれた。つまり翻訳それ自体はいいのだが、作家が意図したもののすべてをとらえられていないという。

たしかに、シラノドベルジュラックなどの翻訳は日本語訳としてとても素晴らしいと思うと同時に、今回英語版のすばひびで引用された英訳との乖離を強く感じた。日本語訳はいくぶん強調しすぎるところ、あるいは付け加えたもの、戯曲として歯切れの良い言葉選びがなされている。翻訳を通して、原文のあじわいをすりつぶしているのではないかと危惧されたわけだ。

これについて、そもそも正しい翻訳とは何か?翻訳に際する同義性の基準とはなにか?など問題は目白押しではあるが、ともあれ、翻訳文と原文との間のたしかなズレはあるだろう。だが、そのズレをゼロにする(翻訳語と原語の意味は必ず一致しなければいけない)必然性は個人的にないと思う。それは無理な要求だろう。

もちろん誤訳を肯定するわけではない。誤訳は翻訳文と原文との間の、無視できない大きな意味のズレであり、それは原文を離れて新しく生まれた、まったく別物であるからだ。(ある悪名高い翻訳家を念頭にこれを書いている)

無視できない大きな意味のズレでなくとも、われわれが普段使う一部の言葉は、海外から輸入された言葉の翻訳でもある。(たとえば自然nature、概念concept、市民citizen、科学science、神god)和製外来語の例を考えても同じことが言えるだろう。それはもはや日本語であり、元の外来語の意味や発音は少なからず失われて別物として解釈される。

翻訳に際して言葉の意味はいついかなるときも普遍的であるという通念が成り立たないことは明らかだろう。これは、異言語の翻訳に限らず、同言語の翻訳でも同じことが言える。

この翻訳の不可能性あるいは困難さには、私的言語の問題が見え隠れしている。この立ちはだかる困難さの前で、人は言葉と向き合いそれでも何かを翻訳し伝えようと真剣にもがくしかない。それは着飾った言葉だとか正しい言葉遣いだとか、そんなものを押し付けることではないのだ。

こうして「翻訳」という、どうやっても原文を歪めてしまう不誠実な行為を、それでもできるかぎり誠実であろうとしていくことで、元になっている意味体験の方へと少しでも近付こうとする、そんな不毛ともいえる無際限の試みとして、筆者は「Wonderful Everyday」というゲームを面白く読んだのであった。

まとめ:英語版すばひびの効能

スキルアップ。ちゃんと読めば英文読解が強くなる。英語の言い回し、日本語の言い回しの翻訳を学べる。台詞で対照できる。
強化された演出。二章、三章がモザイクなしでオリジナルより嫌悪感が増加。体調がさらに悪くなりやすい。幸い筆者は「ゆるキャン△」というアニメに出会って救われた。この場を借りて「ゆるキャン△」に感謝したい。
経験値の取得。英文で文学や哲学、数学などの各学問が楽しめる。これにより日本語で書かれた各学問に対しての抵抗を軽減もしくは増加させる。
シンボルの取得。英語版をプレイしたと自慢できる。このシンボルに価値を認めるゲーマーには有益。価値を認めない人は交換不可能な金のエンゼルを手に入れる。

追伸:Radditのすばひびファンが、好奇心で終ノ空OVAをチェックしたそうで、「それがどれほど悪いのか、誰もがそれを見るべきであるぐらい大変面白いです。」と書き込んでいる。 某海外アニメ評価サイトでも10点中2.87点というありさま。ネタで満点をつけている人もいる。歴史は繰り返される。

すばひびHDの噂

以前、人に説明するために作った画像。

今年の夏は何かが起こるかもしれない。

twitter.com

リンク集

私が見つけた海外のすば日々考察・レビューサイトのリンクを張っておきます。ネタバレになる記述もあるので注意されたし。(他にも見つけたという方はツイッタ―等でお知らせくださればリンク貼ります)

  • Steam版発売前

www.menhelmate.org

http://i.imgur.com/c0hjc.jpg

Subarashiki Hibi | Nのフィールド

Revel in Life: On Subarashiki Hibi and Obtaining Wonderful Days | one of episodes

Practicum for Aesthetes 2 – Using Metafiction & Cyrano de Bergerac in Subarashiki Hibi | This is an Anime Blog, Among Other Things

forums.fuwanovel.net

  • Steam版発売後

[VN] Wonderful Everyday ~Discontinuous Existence~ | Visual novel & other stuff impressions

Explaining Subarashiki Hibi’s Narrative | 空と世界

www.hardcoregamer.com

Subarashiki Hibi Reaction | Suffering Is Moé

rockmandash12.kinja.com

rockmandash12.kinja.com

psgels.net

[Review] Subarashiki Hibi – Furenzoku Sonzai | gareblogs

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